留学は一人の人間を根底から変えるような経験ではない。
しかし、自分の中で無意識に形成してきた土台に気付き、その上で新しいものを受け入れることができるようになる機会である。
留学し3か月経ち、そう思います。
留学は自分が生まれ育った日本という一つの社会、地域、学校、当たり前のように一緒にいてくれた家族や友人、それらからまるっきり離れることで意識することがなかった自分自身の価値観に気付くことができる経験だと感じます。
20歳前後で海外に行くということは、自分の価値観や性格を既に形成している上で異なる環境に赴くわけであって、いきなり「スーパーテンション高い人になった」とか「消極的な性格からスーパーアクティブな人になった」ということにはならないでしょう。(留学期間や身を置く環境にもよるだろうけど)
日本にいると、当たり前に受け入れてきた社会通念や常識に沿い、時にはそれを疑いつつ生活している。疑いつつもそれに従って生きている。
しかし異なる環境に行けば、疑っていたことを他と比較し自分なりのやり方で新しく生きる道を見つけられることもあるかもしれません。
ここにきて無意識のうちに享受してきた環境がなくなり、それまで意識することのなかった私にとって本当に大切なことが溢れ出るように込み上げてきて、それらに気付かずに過ごしてきた自分を何度も何度も後悔して日本に帰りたくて仕方なくなった時もありましたが、
それと同時に、既に私の大切なものの一つが今暮らすこの環境であることにも気付いて、毎日を大切にし目標を持ちながら生活できています。
今までの後悔も、大切にしていることも、この場所が好きだということも、全部受け入れようと思うようになってから、毎日新しい発見をして、更にそれを自分の中で消化できるようになりました。
少年たちから「ニーハオー!」とか、良い年した大人に汚い言葉を浴びせられた時でも、「自分とアジア人は違うんだ、という彼らのアイデンティティの形成に貢献した!」と喜ぶほどに心の余裕ができました。罵声万歳!
(ちなみに、オランダでこんなことは時々しかないです!心配なさらずに)
でも最近の辛い悩みは、相手が冗談でウケを狙っているようなことでも「ああ、そうだよな。こう思っている人も確かに他もにいるかもしれない」と受け入れすぎて、笑うタイミングを逃すこと。というか笑うタイミングが分からないのですが。あとは、カルチャーショックが皆無なこと(笑)誰のどんな言動を見たりされたとしても、驚けない。ユーモアのないつまんない人間になってきてるのかな、、本当に悩み!誰か助けて!!
とにかく、今はどんなことでも受け入れられるようになりました。
加えて、自分の好きな事ややりたいことを決して無理に忘れようとしたりせずに受け入れ続け、ひたすら学んで自ら動き続ければば、必ず一歩次の考えに行きつくということも学びました。
このタイミングで留学しなかったらこうは思わなかったと思います。本当に留学にきてよかった。
次の課題は、行きついた新しい考えを昇華していくことです。
「自分の根底を変えるのではなく、根底をよく磨いて見て、そこに色んなものを並べて受け入れたら新しい今が見えた!」
私の場合とは異なった留学の目的や方法もあると思うけど、これが私が思う留学で得ることだと考えます。
この投稿で勢いをつけて、12月1日までにもう一度ブログを書きます。
今回はなんだか抽象的でまとまらない文章になってしまったけど、次の投稿では今このように考えているからこそ伝えたいことを書きます。
「世界エイズデー」このキャンペーンから思うことについて。
二年前にもこのブログでエイズデーについて書いたので、あの時の自分と今の自分の記録としてもここに残したいからです。
あとついでに、書いたのに見られるのが恥ずかしくて留学前に引っ込めていた過去の記事(去年の)を何個か公開にしました。
日記は普段書いているけど、ブログという見られることを意識した場所に書くとまた違う観点が自然に出てくる時があるし、それを何年か経って見返すと更に新しいことを考えられたりするから面白い。
RED RIBBON Spiritual Song~生まれ来る子供たちのために~ / AIDSチャリティプロジェクト
(2007年)