波よせて / クラムボン
素敵な曲だと思う。
2010年のサマソニのビーチステージでクラムボンがこの曲を演奏しているのをたまたま見て、引き込まれて、それまであまり好きとは言えなかった海に興味を持つきっかけになった曲。
しかもそれは本番ではなく、リハをしている時だったようでバンドメンバーみんな気楽ににこにこ演奏してみたよ!という雰囲気で。あの緩んだ表情がよかった。
ステージの上でボーカルの原田さん海を指さしながら「海の向こうに何がある?」と歌詞の中の一セリフを言った瞬間、もう、震えが止まらなくて。
子供の頃の私は、「海」というと、海水浴とか砂浜遊びとかって勝手にイメージ持ってて、流されるし溺れる(実際溺れた)し、クラゲに刺されるわであまり好きではなかった。
海の向こう、ここではないどこか、日本という島ではなくてもっとずっと向こう、そこに行ってみたいと憧れるようになったのはこのライブを見たあたりからだと思う。「海」は人間が住む土地を囲っているものだという考え方から、「海」を渡れば同じように人間が住む土地に辿り着くという考え方になった。
ずっと日本から出たこともなかった私が海外に行く!行ってみたい!と思うきっかけの一つだったのかもしれない、と今は思う。
でも、こんな風にゆらゆらと「海の向こう」に憧れて信じ続けていた矢先に見た現実があった。
津波。
2011年3月11日。やっぱり海は地上の人間を囲う存在だった、絶望した。
海に憧れている場合じゃない、日本にいなくては、できることを私がここにいてしなくては。
私の地元も被災していたし、何かしようと足を動かしてはみたのものの、無力。無力。
そして大学に入学してかつて持っていた海外や海の向こうのこと、全て曖昧なまま、憧れも目的も投げ出して楽な方に逃げるようになっていた。
逃げれば逃げるほど、津波の時の衝撃やかつての志も忘れていく。自分が忘れていくことに気付いても、「人間はこういうものなのか、いつか情熱なんて忘れる」と客観視する癖だけが付き、何も行動しようとしなくなった。
だめだ、続きはまた今度書こうかな。
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